●図柄
はじめまして。 2009/06/21
現在右腕に竜王太郎、左腕にじらいや、背中に抜きで魚藍観音がはいっています。図柄としては、合わないですか?今更ですが、気になったのでお聞きしたくて書き込みました。いずれは額で入れたいと思います。その場合、腕、背中と合わさってひとつになりますよね?理想は、やはり、全部合わさって物語になるのがいいのでしょうか?私の場合、腕、背中は別物で考えたらいいのでしょうか?

Re:
彫陳 2009/06/24
初めまして。彫陳です。
何れも伝統的な和彫の題材で、趣のある組み合わせかと思います。
各々の図柄の題材が揃っていて、身体全体でより大きな一枚の絵となる事は、和彫に於ける醍醐味でもあります。
しかし、「揃っている事」が趣であるならば、「それを敢えて外す事」も趣になります。
これは、漠然と雑多で構わないという意味ではありません。バラバラな題材を繋ぐ共通点が必要になります。
例えば、この図柄に於ける「超常的な能力を持った人像」「象徴される対になる生物」という共通点がそれであります。
但し、これらの事柄は、「図柄の題材に関して」であります。
和彫に於ける全体の統一感を考えた場合、私がより重視するのは、「規模」「時期」「彫師」の三点です。
 *「規模」...身体と図柄のバランスと、図柄同士のバランス。
  背と両腕の統一感を意識すると、腕や胸への人物像は全身像よりも胸像として彫る事が多く、
  その事で背の大規模な刺青と腕とのバランスが取り易くなります。
 *「時期」...各部位の刺青が相当の期間を置いて仕上がったのか、短期間に仕上がったのか、
  抜きとして全体が完成してから額へ移行するまでどの程度の期間が空くのか。
  和彫を一枚の絵と捉えた時、短期間で仕上がる程、統一感があります。
 *「彫師」...各刺青を同じ彫師が手掛けたのか。抜きと額も同じ彫師が手掛けるのか。
  彫師によって、描き方も、彫り方も、使用する色の種類も違う為、
  全て同じ彫師が手掛けるのが全身的な和彫に於ける前提と考えます。
  仮に題材同士の種別に何の脈絡が無くとも、
  一人の彫師が一貫して計画し彫り上げたものは必然的に一体感を生むと思います。

和彫の額彫に於いて、最上の理想は、「抜きから額への拡張」では無く、「初めから額として彫る」事です。
しかし、全てがそうもいかず、又、抜きからの拡張としても美しい額彫は有り得ます。
その拡張の仕方が漠然と雑多なのでは無く、上記を踏まえたものであるならば、より良い額彫になるのではないでしょうか。
現在の三刺青全て抜きであれば、額への拡張は次の様な選択肢があります。
 ・両腕(〜胸)のみ額彫。背は抜きのまま。(若しくは後に背も額へ拡張)
 ・背のみ額彫。両腕は抜きのまま。(若しくは後に腕も額へ拡張)
 ・全て一括して額彫。
どれを選択すべきかは、総合的な判断としか言えません。
どの様な額彫を良しとするのか、手掛ける彫師それぞれ、捉え方と方針があるものと思います。
又、冒頭の「図柄の相性」に関してはその事とは別の問題であり、個々の自由な感じ方で良いのではないでしょうか。





刺青 彫陳 TOP > 問答集